神戸元町労務管理サポート 社会保険労務士 角森洋子(元労働基準監督官)による就業規則作成、変更支援

パートタイマーの雇用管理

パートタイマーとは何か

パートタイマーとは 通常の労働者に比べ1週間の労働時間が短い労働者を意味します。どれくらい短いのかという程度は示されていません。
(参考)
一般に言われているパートタイマーの意味は二通りあります。
1 正社員に比べて労働時間が短いという意味で使っている。
2 正社員に対して、臨時社員というような意味合いで使われ、労働時間も正社員と変わらない。
いわゆる擬似パート。

T パートタイマーとは何か
U パートタイマーであっても、自由に解雇はできない。

V パートタイマー退職を申し出るときは
X 中小企業退職金共済制度
Y 有期労働契約の締結及び更新・雇止めに関する指針

Z パートタイマーの年次有給休暇

[ パートタイマーの労働時間管理


T パートタイマーとは何か。

パートタイマーとは
通常の労働者に比べ1週間の労働時間が短い労働者

どれくらい短いのかという程度は示されていません。
パートタイム労働法(正式名称「短時間労働者の雇用管理の改善に関する法律」)
第2条
この法律において「短時間労働者とは、1週間の所定労働時間が通常の労働者(略)の1週間の労働時間に比し、短いものをいう。
(参考)
一般に言われているパートタイマーの意味は
1 正社員に比べて労働時間が短いという意味で使っている。
2 正社員に対して、臨時社員というような意味合いで使われ、労働時間も正社員と変わらない。
いわゆる擬似パート。

U 労働基準法は当然パートにも適用される

 労働基準法はパート、アルバイト等の名称にかかわらず、全ての労働者に適用されます。
労働基準法第9条

労働基準法が適用される労働者
@職業の種類を問わず、
A事業又は事務所に使用され、
B賃金を支払われる者
をいいます。

V パートタイマーであっても、自由に解雇はできない。

労働基準法第18条の2
「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。」

 パートタイマーについて、「いつでも自由に解雇できる」と思っている方も多いようですが、 事業主は、パートタイマーであっても自由に解雇することはできるわけではありません。
 客観的、合理的な理由を欠き、社会通念上相当でない解雇は、解雇権の濫用で無効となります。

また、次のような解雇は法律で禁止されています。

法律で禁止されている解雇(主なもの)
・労働災害で療養中の期間とその後 30 日間にする解雇(労基法 19 条)
・産前産後休暇中とその後 30 日間にする解雇(労基法 19 条)
  ・女性の結婚・妊娠・出産・産休の取得を理由とする解雇 (男女雇用機会均等法8条)
  ・育児 介護休業の申し出 取得を理由とする解雇 (育児 介護休業法 10 条・ 16 条)

 また、雇用契約期間の有無により、手続については次の点に注意が必要です。

1 雇用期間の定めがない場合

少なくとも30日前の解雇予告手続あるいは平均賃金の30日分以上の解雇予告手当の支払が必要です。

2 雇用期間の定めがある場合

 期間の定めがある契約は期間が満了した時点で終了します。
しかし、何度も雇用契約を更新し、事実上、期間を定めない雇用契約と同じような状況の者の雇用契約を更新しない場合(雇止め)は、雇用期間の定めがない場合と同様、 30日前での解雇予告、または解雇予告手当の支払いが必要となるとともに、合理的な解雇理由が必要となります。
また、労働契約の更新により1年以上継続雇用されている者の雇止めについては、事業主は少なくとも 30日前に予告するよう努めなければなりません。

3 解雇理由を記載した文書の交付


(労働基準法 22条2項、平成 16年1月1日施行)

 労働者が解雇を予告された日から退職の日までの間において、当該解雇の理由を記載した文書の交付を請求した場合、事業主は遅滞なくこれを交付しなければなりません。


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W パートタイマーが退職を申し出るときは

1 雇用期間の定めのない労働契約の場合

  労働者が退職の意思表示をして、就業規則等に定められた期間の経過、また就業規則等がない場合は2週間が経過すれば、事業主の同意がなくても、雇用関係は終了します。

2 雇用期間が定められている場合

 雇入れ時に明示された労働条件と事実が違う場合ややむを得ない事情がある場合を除き、原則として事業主の同意がなければ期間の終了までは退職できません。
  ただし、1年を越える期間の労働契約を締結した労働者については、労働契約の期間の初日から1年を経過した日以後については、事業主に申し出ることによりいつでも退職できます。(労働基準法 137条 、平成 16年1月1日施行 )

3 退職時の証明

 労働者が退職する場合、請求があれば、事業主は遅滞なく証明書を交付しなければなりません。(労働基準法 22条)

  退職時の証明に記載すべき事項

 (1)使用期間  (2)業務の種類  (3)労働者の地位  (4)賃金
 
(5)退職の事由(解雇の場合は解雇の理由)

 労働者が請求した事項のみ記載すること。労働者が求めない事項を
   記載することは禁じられています。

 


4 退職に際し、事業主が守るべきその他のルール

(1) 金品の返還

パートタイマーの死亡又は退職の場合において、権利者の請求があつた場合においては、7日以内に賃金を支払い、積立金、保証金、貯蓄金その他名称の如何を問わず、労働者の権利に属する金品を返還しなければならない。(労働基準法第23条)


(2) 離職票の交付

事業主は,従業員を雇用するなどして新たに被保険者となった場合や,退職等に伴い被保険者でなくなった場合には,ハローワークにその旨を届け出なければなりません(雇用保険法第7条)。

  被保険者となったことの届出は,その事実のあった日が属する月の翌月の10日までに,行わなければなりません(同法施行規則第6条)。
また,雇用する労働者が離職により被保険者でなくなった場合は,その事実のあった日の翌日から起算して10日以内に,資格喪失届に離職証明書を添付してハローワークに提出しなければなりません(同規則第7条)。

離職証明書提出後,ハローワークから事業主に「離職票」が交付されます。「離職票」は,雇用保険受給手続に必要ですので,事業主は,速やかに離職者に「離職票」を交付すべきです。



X 中小企業退職金共済制度

  「中小企業退職金共済法」に基づいて、独立行政法人勤労者退職金共済機構が運営している社外積み立て型の制度です。
1 制度の特色
(1)掛け金の一部と制度の運営費は国が負担します。
 新しく制度に加入する事業主に対し、掛金の1/2 ( 上限5,000円 ) を加入後4か月目から1年間、また掛金月額を増額する事業主に対し、増額分の1/3を増額月から1年間国が助成します。

(2)掛金は税法上損金または必要経費として全額非課税になり、税法上の優遇措置があります。

2 掛金

(1)掛金月額は 16種類(5,000円〜30,000円)ありますが、事業主がこの中から従業員ごとに任意に選択し、全額負担します。

(2)パートタイム労働者(1週間の所定労働時間が通常の労働者と比べ短くかつ 30時間未満の従業員)については、より低い掛金月額(2,000円〜4,000円)もあり、加入しやすくなっています。


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Y 有期労働契約の締結及び更新・雇止めに関する指針(平成12年12月28日)

1 趣

 有期労働契約については、締結(更新の場合を除く。以下同じ。)及び更新・雇止めの際の説明やその手続などの実態を見ると、更新・雇止めに関して労働者の保護に欠けるものと考えられる問題点も見られるところである。また、雇止めに関する裁判例を見ると、結果として雇止めが認められなかった事案も少なくなく、有期労働契約の締結及び更新・雇止めに関しては、当該有期労働契約に係る労働者の適正な労働条件を確保するための対策が求められている。

この指針は、有期労働契約の更新・雇止めをめぐるトラブルを未然に防止し、有期労働契約の適正な運用を確保するため、有期労働契約の締結及び更新・雇止めに当たり、手続及び契約期間に関して使用者が考慮すべき事項を定めたものである。

2 有期労働契約の範囲

 この指針にいう有期労働契約とは、パートタイマー、契約社員、嘱託、臨時社員、アルバイト等当該労働契約に係る労働者の事業場における呼称を問わず、期間を定めて締結されている労働契約をいう。

3 有期労働契約の締結及び更新・雇止めに当たり、手続及び契約期間に関して使用者が考慮すべき事項


使用者は、

<1> 労働契約の期間の定めの有無にかかわらず適用される労働基準法等の労働関係法令を遵守するとともに、

<2> 雇止めに関する裁判例を見ると、契約の形式が有期労働契約であっても、

・反復更新の実態や契約締結時の経緯等により、実質的には期間の定めのない契約と認められた事案

・実質的に期間の定めのない契約とは認められないものの契約更新についての労働者の期待が合理的なものと認められた事案

・格別の意思表示や特段の支障がない限り当然更新されることを前提として契約が締結されていると認められ、実質上雇用継続の特約が存在すると言い得る事案

があり、こうした事案では後述する解雇に関する法理の類推適用等により雇止めが認められなかった事案も少なくないことに留意しながら、有期労働契約の締結及び更新・雇止めに当たり、手続及び契約期間に関しては、特に次の点について適切な措置を講ずるべきである。

(1) 更新・雇止めに関する説明

 使用者は、有期労働契約の締結に際しては、当該有期労働契約の更新の有無及びその考え方並びに更新及び雇止めを行う場合の判断基準を、当該労働契約に係る労働者に対し説明するよう努めるものとする。
また、使用者は、有期労働契約の締結に際して説明した内容について変更を行った場合には、速やかに当該労働者に説明するよう努めるものとする。

(2) 契約期間

 使用者は、有期労働契約の更新により1年を超えて引き続き使用するに至った労働者について、労働契約の期間を定める場合には、当該期間を不必要に短くすることなく、労働基準法の規定の範囲内で、当該労働契約の実態や当該労働契約に係る労働者の希望に応じ、できるだけ長くするよう努めるものとする。

(3) 雇止めの予告

 使用者は、有期労働契約の更新により1年を超えて引き続き労働者を使用するに至った場合であって当該労働契約を更新しないときは、少なくとも30日前に更新しない旨を予告するよう努めるものとする。

(4) 雇止めの理由の告知

 使用者は、有期労働契約の更新により1年を超えて引き続き労働者を使用するに至った場合であって当該労働契約を更新しないときは、労働基準法第22条の退職時の証明における解雇の理由の証明に準じて、「契約期間の満了」という理由とは別に、当該労働契約に係る労働者が望んだ場合には更新をしない理由を告知するよう努めるものとする。

なお、期間の定めのない労働契約に係る労働者の解雇については、使用者の解雇権の行使が客観的に合理的な理由を欠き社会通念上相当として是認することができない場合には、権利の濫用として無効となる(「解雇に関する法理」)との裁判例があることに留意する必要がある。

神戸元町労務管理サポート
(旧かくもり労務管理事務所)

〒650-0012
兵庫県神戸市中央区
北長狭通5-2-19
コフィオ神戸元町311号室

JR元町から徒歩2分

TEL 078-599-5018
FAX 078-599-5019

Mail y.kakumori@nifty.com

プロフィール

角森洋子
特定社会保険労務士・
労働衛生コンサルタント
(元労働基準監督官)

詳しくはコチラ

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