神戸元町労務管理サポート 社会保険労務士 角森洋子(元労働基準監督官)による就業規則作成、変更支援

労働相談Q&A〜安全衛生

パートタイマーの一般健康診断

Q1 どのようなパートタイマーについて健康診断の受診をさせなければならないか(一般健康診断)

A 以下の二つの要件を満たしているパートタイマーについては健康診断を受診させなければいけません。

@ 期間の定めのない労働契約により使用される者であること。
期間の定めのある契約により使用される者であっても、更新により1年以上使用されることが予定されている者、及び更新により1年以上使用されている者(なお、深夜業など特定業務従事者健診(安衛則第45条の健康診断)の対象となる場合は、6か月以上使用されることが予定され、又は更新により6ヵ月以上使用されている者)
A 1週間の労働時間数が当該事業場において同種の業務に従事する通常の労働者の1週間の所定労働時間数の4分の3以上であること。
上記の@とAのどちらも満たす場合、常時使用する労働者となる。
上記のAに該当しない場合であっても、上記の@に該当し、1週間の労働時間が当該事業場において同種の業務に従事する通常の労働者の1週間の所定労働時間数の概ね2分の1以上である者に対しても一般健康診断を実施するのが望ましい。
(「短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律の一部を改正する法律の施行について」(平19.10.1基発1001016,職発1001002,能発1001001,雇児発1001002))

 深夜業従事者の定義

Q2 深夜業従事者の定義を教えてください。

A2 深夜業に従事する労働者については、6か月後とに1回健康診断を実施しなければなりません。しかし、この深夜業従事者についての定義が示されていません。
そこで、「自発的健康診断結果の提出」(労働安全衛生法66条の2)の要件を参考にします。
「自発的健康診断結果を証明する書面を事業者に提出することができるもの」の要件が「自ら受けた健康診断を受けた日前6か月間を平均して1月当たり4回以上同条の深夜業に従事」と定められている(同規則50条の2)。

この規定から判断すると、特定業務従事者健診を実施すべき深夜業務従事者とは、常時使用され、午後10時以降午前5時の間に「少しでも」業務を行うことが、最近の6ヵ月の平均で月に4回以上あるもの、ということになります。

歯の健康診断

Q 歯の健康診断については、具体的にどのような検査をしなければならないでしょうか。

A 歯科健康診断とは、塩酸、硝酸、硫酸、亜硫酸、フッ化水素、黄リンその他歯またはその支持組織に有害な物のガス、蒸気または粉じんを発散する場所における業務(労働安全衛生施行令22条3項)に常時従事する労働者に対しては、雇い入れの際、当該業務への配置換えの際及びその後6か月以内ごとに1回、定期に、歯科医師による健康診断を行わなければなりません(労働安全衛生規則48条)。

1 黄燐を取り扱う業務又は燐の化合物のガス、蒸気若しくは粉じんを発散する場所における業務・・・顎骨の変化(エックス線撮影)
2 亜硫酸ガスを発散する場所における業務・・・歯牙の変化(視診)

特殊健診診断指導指針(昭和31年5月18日基発第308号)

健康診断結果報告書の産業医の確認欄の意味

Q 健康診断を行った医師の確認では駄目か
定期健康診断結果報告書に健康診断を行った医師ではなく、産業医の確認が必要なのでしょうか。

A 健康診断を担当する医師は、健診結果に基づいて「異常なし、要精密検査、要治療」など一般的な判断を行う。
産業医の職務は、職場の作業環境の改善を通して快適職場づくりを応援することにあり、例えば、一つの疾病について治療を行うだけでなく何が疾病の要因となったのか、その要因による影響をコントロールし健康を回復させるにはどうすればよいか、同じ職場に多発しているとすれば、それは職場環境に原因があるのかを考えることを職務としている。
労働者の適正配置を上司に助言したり、労働者が置かれている職場環境を経営者に報告して改善策を考慮してもらったりする。
このために、健康診断結果については産業医がきちんと関与しているかどうかを判断するため、監督署に対する健康診断結果報告書に産業医が記名・押印する。

健康診断結果報告書の書き方


Q 「在籍労働者数」、「従事労働者数」及び「受診労働者数」の欄
「在籍労働者数」、「従事労働者数」及び「受診労働者数」の欄に、健診実施後退職した労働者の数も記入するのか

 

A 有機溶剤健康診断結果報告書の記入要領を見ると、
 「在籍労働者数」、「従事労働者数」及び「受診労働者数」の欄は、健診年月日現在の人数を記入すること。
と書かれているので、退職してしまっても、健康診断実施日の在籍労働者数と従事労働者数には算入する必要がある。

定期健康診断の有所見率の算出方法

Q 定期健康診断の有所見率はどうやって算出しているのでしょうか。


A 50人以上の事業場から提出された健康診断結果報告書を集計して算出されている。

再検査・精密検査の費用

Q 再検査や精密検査の費用は会社が負担しなければならないのでしょうか。

A  再検査・精密検査について労働安全衛生法により義務づけられたものではないので、会社が負担する義務はない。
労働安全衛生法上も、有所見とされた従業員については医師の意見を聞くことが必要であるとされており(66条の4)、当然、その意見を尊重して当該従業員に対する適切な職場安全配慮の措置(勤務時間の短縮・変更、勤務内容・勤務場所の変更、休業等)を講ずることが求められる(66条の5)。
費用について配慮してもよいのではないか。

受診義務


Q 未受診者がいて、何回も受診を勧めているが、受けない。結果報告書に未受診者がいる場合、監督署の窓口で指導されるのか。

A 監督署で、窓口指導はしない。
受診しない事情を記録しておくこと(後日、会社の責任を問われないために)

育児休業中の労働者の定期健康診断


Q 「定期健康診断を実施すべき時期に、労働者が、育児休業、療養等により休業中の場合には、定期健康診断を実施しなくてもさしつかえないものであること。」「労働者が休業中のため、定期健康診断を実施しなかった場合には、休業終了後速やかに当該労働者に対し、定期健康診断を実施しなければならないものであること」(「育児休業等により休業中の労働者に係る健康診断の取扱いについて」平4.3.13 基発第115号)

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プロフィール

角森洋子
特定社会保険労務士・
労働衛生コンサルタント
(元労働基準監督官)

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