神戸元町労務管理サポート 社会保険労務士 角森洋子(元労働基準監督官)による就業規則作成、変更支援

就業規則作成・改善相談室

労働相談Q&A パートタイマーの年次有給休暇

Q パートタイマーと年次有給休暇
4月1日を更新日とする有期雇用契約で働いている。2月に父親が交通事故にあった。そのために3月に5日の年休取得申請をして休もうとしたところ、「有給休暇は無い契約になっているので、休暇は取れない。」と労務担当者から言われた。結果として3月分の給料明細を見たところ、5日分の賃金と皆勤手当てをカットされていた。


A 労働基準法はパートタイマーにも当然適用されます。サイト内ファイル「パートタイマー」参照

年次有給休暇の付与要件は次のようになっています。

 年次有給休暇は、雇い入れの日から起算して6ヶ月間継続勤務し、全所定労働日数の8割以上出勤した労働者に対して最低10日をあたえなければならないと決められています。・・・労働基準法第39条
労働基準法はパートタイマーにも適用されるので、原則として同様に扱わなければなりません。したがって、この質問のように、「有給休暇は無い契約」というものはありえず、労働基準法に抵触する労働契約ということになります。あらためて年次有給休暇手当てを請求してみましょう。どうしても払わないということなら、所轄労働基準監督署に相談するとよいでしょう。

年次有給休暇の日数(いわゆる正社員と週所定労働日数が5日以上のパートタイマー等)

継続勤務年数 0.5年 1.5 2.5 3.5 4.5 5.5 6.5以上
付与日数 10日 11 12 14 16 18 20

週所定労働日数が5日以上のパートタイマー等については、1日の労働時間数が短くても、年次有給休暇の日数は一般の労働者と同じ扱いになります。

比例付与:週所定労働時間が30時間未満の労働者についてはその所定労働日数に応じて年次有給休暇は比例付与されます。

週所定労働日数が4日または1年間の所定労働日数が169日から216日までの者
継続勤務年数 0.5年 1.5 2.5 3.5 4.5 5.5 6.5以上
付与日数 7日 10 12 13 15

週所定労働日数が3日または1年間の所定労働日数が121日から168日までの者
継続勤務年数 0.5年 1.5 2.5 3.5 4.5 5.5 6.5以上
付与日数 5日 6 6 8 9 10 11

週所定労働日数が2日または1年間の所定労働日数が73日から120日までの者
継続勤務年数 0.5年 1.5 2.5 3.5 4.5 5.5 6.5以上
付与日数 3日 4 4 5 6 6 7

週所定労働日数が1または1年間の所定労働日数が48日から72日までの者
継続勤務年数 0.5年 1.5 2.5 3.5 4.5以上
付与日数 1日 2 2 2 3

Q2 年次有給休暇の付与要件である継続雇用の定義はどうなっているのか。どのような場合に中断になるのか。当社では6ヶ月契約でパートタイマーを雇用している。年次有給休暇は契約更新後も与えなければならないか。1ヶ月と10日中断期間をおくと、継続雇用にならないと聞いたが本当か。
また。定年後再雇用する予定だが、年次有給休暇をいったん清算して新たに勤続年数を数え始めることはできないか。

A 継続雇用の中断については、特に何日間をあければ中断になるというような明確な定めはありません。下記の解釈例規はありますが、これも「雇用と雇用の間に相当期間が存し労働関係が断絶していると認められる場合」といっているだけです。

したがって、形式的に労働契約が切れたとしても、実態として雇用が継続していると判断される限り、勤務は継続しているとみなされます。また、継続雇用か否かの判断は単に期間によって左右されるというものではありません。
 

労働基準法解釈例規
労働者全員に退職金を支給し、その後一部の労働者を再雇用したケースについて、労働基準法第39条の継続勤務年数の計算については、、「実質的に労働契約が継続している限り勤続年数を通算する」とする一方、「退職と再雇用との間に相当期間が存し労働関係が断絶していると認められる場合にはこの限りではない」(昭63.3.14基発150号「労働基準法解釈総覧」平成14年 厚生労働省労働基準局編 労働調査会)

労働基準法解釈例規
10日間程度離職期間があり、再雇用されるケースについては、「一時的に離職することがあっても、前後を通じて当該公共事業に雇用されている限り、・・・実質的に継続しているものと認められる」(昭36.11.27基収第5115号「労働基準法解釈総覧」平成14年 厚生労働省労働基準局編 労働調査会)

 上記解釈例規のように10日以上あれば継続雇用とみなされないかといえば、必ずしもそうとは言えず、あくまでも実態として継続しているかどうかで判断されます。ですから、仮に一ヶ月間雇用契約が切れるという場合でも再び雇用されることが決まっていれば、実態として雇用が継続しているとみなされ、勤続年数を通算しなければなりません。こうした雇用契約の中断が、単にパートタイマー等に対して、年次有給休暇を与えないために行われるとすれば、一種の脱法行為ということになります。

Q3 日によって所定労働時間の異なる時間給制のパートタイマーの年休取得日の賃金はどのように払えばいいのですか。

A 年次有給休暇取得中の賃金については、通常

1 平均賃金
2 所定労働時間労働した場合に支払われる賃金

のふたとおりの払い方があり、どちらかを選択して就業規則その他に定めておくということになります。
ただし、過半数労働組合または労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者との書面による協定により、

3 健康保険法の標準報酬日額に相当する金額により支払うことができます。

そして、いったん一つの支払い方法を決めたら後は必ずその方法により支払うことにしなければなりません。

労働基準法第39条第6項参照

Q4 パートタイマーにも半日単位で年次有給休暇の使用を認めていいか。その場合何をもって半日とするのか。

 A 労働基準法では年次有給休暇を1日以下に分割して取得することを予定していません。したがって、使用者が半日単位の年次有給休暇取得を認める義務はありません。しかし、現在半日単位で与えることを禁じてはいないので通常認めています。正社員に半日取得を認めているならば、パートタイマーにも同じ取扱いが求められます。

年次有給休暇の半日付与をする場合の「半日」については、法令上の定めはありませんので、半日の単位については、各社の状況に応じて定めることができます。概ね所定労働時間の半分になるようであれば、休憩時間をはさんだ前後の時間がそれぞれを半日とすればよいでしょう。

神戸元町労務管理サポート
(旧かくもり労務管理事務所)

〒650-0012
兵庫県神戸市中央区
北長狭通5-2-19
コフィオ神戸元町311号室

JR元町から徒歩2分

TEL 078-599-5018
FAX 078-599-5019

Mail y.kakumori@nifty.com

プロフィール

角森洋子
特定社会保険労務士・
労働衛生コンサルタント
(元労働基準監督官)

詳しくはコチラ

このページのトップへ戻る