神戸元町労務管理サポート 社会保険労務士 角森洋子(元労働基準監督官)による就業規則作成、変更支援

就業規則作成・改善相談室

労働相談Q&A〜労働災害

Q1 食堂で約2年前から働いていた。労働時間8:30〜15:00 時間給750円
17年1月29日、自転車で配達中に転倒、手を骨折した。以後M整形外科にて治療、休業していたが、2月27日に、翌週より勤務する旨電話で連絡したところ、「暇なので首だ。」と言われた。この労働災害について、何の補償もないので請求したところ、「労災保険に加入していないから無理だ。」と言われた。(相談当時の日付です。)

 

A 問題は二つあります。一つは労災保険の未加入と労災保険の請求です。もう一つは解雇の禁止です。

1 労災保険の未加入の問題

労働者であれば、正社員に限らず、臨時雇、日雇、アルバイト、パートタイマー、嘱託など、雇用形態に関係なく、労災保険の適用対象となります。請求手続をしましょう。療養給付と休業給付が受けられることになります。事業主が協力してくれない場合は自分で請求手続をします。

労災保険法施行規則では、事業主は労災保険給付等の請求において、負傷又は発生の年月日及び時刻、災害の原因及び発生状況等の証明を行わなければならないとしています。労災保険の各請求用紙には事業主の証明欄がありますので、事業主が協力しないとなるとこの欄が空白になってしまいます。

この場合は、事業主に証明をして貰えなかった事情を記載した書面を添えて請求することになります。このような場合は、事業所を管轄する労働基準監督署に相談してください。

すでに、健康保険を使って病院にかかっているので健康保険で対応した費用をすべて健康保険側に返還し、あらためて自分から労災保険側に請求をするという手続が必要です。

  それでは、被災労働者が労基署に労災給付の申請を行い、労基署が給付を行った場合はどうなるのでしょう。

まず未手続期間の保険料を2年間に遡って徴収されます(分割納付も可能)。通勤災害の場合も対象となります。

また、
平成17年11月からはペナルティが次のように強化されることになりました。労災保険の届出の提出期限(保険関係成立の日の翌日から起算して10日)の翌日から、保険関係成立届の提出のあった日の前日までの期間中に支給事由が生じたものです。
療養開始後(即死の場合は死亡後)3年以内の期間において支給事由が生じたものに限ります。

(1) 加入手続について行政機関からの指導等を受けたにもかかわらず、事業主がこれを行わない期間中に労災事故が発生した場合、現行の取扱いでは「故意又は重大な過失により手続を行わないもの」と認定して保険給付額の40%を徴収しているが、これを改め「故意に手続を行わないもの」と認定して保険給付額の100%を徴収する。
…労働者に支払われた保険給付(療養(補償)給付は除く)の
全額を事業主から徴収する。

事業主が保険料を滞納している場合も、ほぼ同様の扱いとなります。

(2) 加入手続について行政機関からの指導等を受けていないが、事業主が事業開始の日から1年を経過してなお加入手続を行わない期間中に労災事故が発生した場合、「重大な過失により手続を行わないもの」と認定して、新たに費用徴収の対象とし保険給付額の40%を徴収する。
…つまり労働者に支払われた保険給付(療養(補償)給付は除く)の
4割を事業主から徴収する。

2 つぎに解雇の問題です。労働基準法第19条で「使用者は、労働者が業務上負傷し、又は疾病にかかり療養のために休業する期間及びその後30日間は、解雇してはならない。」と定められています。現在配達中の怪我のために休業しているのですから、解雇はしてはならない状態だといえるでしょう。

事業主に解雇は禁止されていると説明しても、受け入れない場合は、労働基準監督署に相談しましょう。申告(労働基準法第104条)することができます。

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プロフィール

角森洋子
特定社会保険労務士・
労働衛生コンサルタント
(元労働基準監督官)

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