神戸元町労務管理サポート 社会保険労務士 角森洋子(元労働基準監督官)による就業規則作成、変更支援

就業規則作成・改善相談室

労働相談Q&A 派遣労働

Q 派遣労働者を受け入れている(26職種以外)が、まもなく派遣期間の3年間が終了することになる。引き続き同一の業務に派遣労働者を受け入れたいと考えているが、派遣会社を変えればいいのか。それとも他に方法があるか。

   

A 結論からいいますと、同一職場の同一業務に引き続き派遣労働者を受け入れることはできません。派遣労働者を受け入れる意味は、臨時的な仕事で長期にわたって雇用する必要がないということだからです。

それではどうすればいいかというと二つの選択肢があります。

1 派遣労働者に雇用契約の申込みをする。

2 3ヶ月のクーリング期間をおいて、新たに派遣労働者を受け入れる。この場合、新たに受け入れる派遣労働者が、以前派遣されていた人かどうかはわかりません。派遣先としては「今までの人をお願いします。」と派遣元に依頼するkとはできません。同じ人が来るかもしれないし、別の人が派遣されてくるかもしれません。 

労働者派遣法が改正され、派遣労働者の希望を踏まえた直接雇用の促進を図るため、派遣先は、一定の場合に、派遣労働者に対する雇用契約の申込みが義務付けられました(平成16年3月1日施行)。

雇用契約の申込み義務の詳細は、以下のとおりです。

1 雇用契約の申込みが義務付けられるのはどんな場合か

派遣先に派遣労働者に対する雇用契約の申込みが義務付けられるのは、以下の2つの場合です。

(1) 派遣受入期間の制限のある業務について、派遣受入期間の制限への抵触日以降も、派遣労働者を使用しようとする場合(労働者派遣法第40条の4

(2) 派遣受入期間の制限のない業務について、同一の業務に同一の派遣労働者を3年を超えて受け入れており、その同一の業務に新たに労働者を雇い入れようとする場合(労働者派遣法第40条の5)

 なお、派遣受入期間の制限のある業務については、1(1)のほか、1年以上同一の業務に同一の派遣労働者を受け入れており、派遣の受入れが終了した日以後、当該業務に新たに労働者を雇入れようとする場合は、
(1)派遣先に雇用されて当該業務に従事する希望を申し出ており、
(2)派遣の受入れが終了した日以後7日以内に派遣元事業主との雇用関係が終了する
派遣労働者を雇用する努力義務があります。

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1-2 雇用契約の申込み義務の内容等

(1)雇用契約の申込み義務に違反した場合

 都道府県労働局長が指導、助言を行った上で、雇用契約の申込みをするよう勧告を行い、それでもなお違反する場合は、厚生労働大臣が企業名の公表を行うことがあります。

1(1)について、派遣受入期間中に派遣労働者が交代した場合であっても、雇用契約の申込み義務があるか。

 派遣受入期間の制限に抵触することなる場合は、個々の派遣労働者の派遣受入期間を問わず、抵触日の直前に受け入れていた派遣労働者に対して雇用契約の申込みの義務がかかります。

1(2)について、雇用契約の申込み義務の対象となる「同一の業務」に労働者を雇い入れる場合とは、具体的にどのような場合か。

 派遣先の事業所等において、派遣を受け入れているP6(2)〜(6)に相当する業務のうち同種のものに労働者を雇い入れる場合です。
例えば、機械設計の業務(いわゆる「26業務」)に、3年を超えて同一の派遣労働者を受け入れている場合には、当該派遣先の事業所等において、機械設計に主として従事する業務に新たに労働者を雇い入れる場合に、雇用契約の申込み義務が発生します。

「事業所等」・・・課、部、事業所全体等、

(1)場所的に他の部署と独立している、
(2)経営の単位として人事、経理、指導監督、労働の態様等においてある程度の独立性を有する、
(3)一定期間継続し、施設としての持続性を有する等

の観点から実態に即して判断されます。

2 3ヶ月のクーリング期間をおいて、新たに派遣労働者を受け入れる。

1(2)について、派遣受入れを開始してから現在までに、派遣受入れを停止している期間がある場合の、雇用契約の申込み義務はどうなるのか。

 派遣受入れを停止している期間が3箇月以下の場合は、継続して派遣を受け入れているものと判断され、派遣受入期間が通算されますが、派遣受入れを停止している期間が3箇月を超えている場合は、その後の派遣の受入れは、停止前の派遣の受入れとは別の新たな派遣の受入れと判断されます。

クーリング期間
同一業務に関する労働者派遣を3年以上継続することは原則として認められません。(物の製造の業務は1年以上)しかし、労働者派遣法ではクーリング期間という規定を設けています。

同一就業場所の同一業務であっても、派遣労働者の受け入れを一時的に中止した後、中止期間が3ヶ月を超えた場合には、派遣の継続性を断絶するとしているのです。そこで
「1年派遣受入 → 3ヶ月を超える期間中止 → 更に1年派遣受入 → 3ヶ月を超える期間中止 → また更に1年派遣受入が可能」
という扱いが認められることとなります。

これは、一度派遣労働者を受け入れたら以後はどのような場合でも同一業務での労働者派遣を受けられないのは不都合であり、3ヶ月を超える期間の受入停止期間を設けられるということは派遣労働者の受入が無くても業務を遂行できる、つまり正社員としての雇用を必要とはしてないと考えられることから設けられているものです。

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クーリング期間の根拠

「派遣先が講ずべき措置に関する指針」の14(3)で「派遣先が新たに労働者派遣の役務の提供を受ける場合には、当該新たな労働者派遣の開始と当該新たな労働者派遣の役務の受入れの直前に受け入れていた労働者派遣の終了との間の期間が3月を超えない場合には、当該派遣先は、当該新たな労働者派遣の役務の受入れの直前に受け入れていた労働者派遣から継続して労働者派遣の役務の提供を受けているものとみなすこと。」

平成16年改正による、派遣可能期間の変更

改正の趣旨
 労働者派遣制度は、常用雇用の代替として利用されることを避けるために、「臨時的・一時的な労働力の需給調整に関する対策」として位置づけられているので、派遣可能期間は原則1年までとされていた。

 しかし、派遣可能期間は原則1年では以下のような不都合なことがあった。

・1年では、かえって派遣労働者の雇用が不安定となる面があること。

・ 派遣先企業においてもその処理すべき業務によっては1年では短く適切な対応ができない場合があること。


1 26の専門的業務について派遣期間の上限が3年までとされていた通達が改正され、制限がなくなった。・・・派遣法40条の2・1項1号
   (従来、事実上の上限を通算で3年として運用していました。)

2 育児・介護休業などの期間中の代替業務について派遣受入期間が撤廃された。・・・派遣法40条の2・1項3号、4号派遣則33条、33条の2(従来は上限が通算2年)

  対象となる休業

 ・ 産前産後休業(労働基準法第65条)
 ・ 育児休業(育児・介護休業法2条1号)
 ・ 産前休業に先行又は産後・育児休業に後続して付与される母性保護・子の養育のための休業における当該労働者の業務 (派遣則33条)
 ・ 介護休業(育児・介護休業法2条2号)
 ・ 介護休業に後続し、対象家族(育児・介護休業法2条4号)を介護するために休業(派遣則33条の2)

3 日数限定業務・有期プロジェクト業務・・・派遣法40条の2・1項2号、告示446号

 月初めや土日のみ必要となる業務等就業日数が限られている業務は、常用労働者の代替のおそれが少ないと考えられるので、派遣受入期間の制限の対象外とされた。

   対象となる業務
(1) その業務が1ヶ月間に行われる日数が、派遣先の通常の労働者の1ヶ月間の所定労働日数の半分以下で、かつ月10日以下である業務

 今ある業務を細分化して10日以内のするのはいけない。

 例:書店の棚卸、展示場のコンパニオン等

(2) 3年以内に完了する有期事業プロジェクト業務についても、発見受入期間の制限の対象とならない。


4 その他の業務への派遣・・・派遣法40条の2・2項、3項

 一般業務(26業務以外の業務)について、派遣期間が上限3年(従来、1年上限であった。)に延長された。

 上限3年とは、具体的には派遣就労場所ごとの同一業務について、「1年を超え3年以内の継続派遣期間としてあらかじめ定めた期間」となります。(この定めをしない場合の上限は1年となります。)

  1年を超え3年以内の継続派遣期間をあらかじめ定める場合及びその期間を中途で変更しようとする場合、派遣先事業主は、派遣先事業場の過半数代表者等に(派遣受入の業務、期間、開始時期を書面により)通知して意見を聞き、その経緯を書面に作成し保存(3年間)する義務があります。この意見聴取の要件は、派遣期間が1年以内の場合は、課されません。


26の専門的業務

1 コンピュータのシステム・プログラムの設計等
2 機械等の設計・製図
3 放送番組等の映像・音声機器の操作
4 放送番組等の演出
5 事務用機器の操作
6 通訳、翻訳、速記
7 秘書
8 ファイリング
9 市場調査
10 財務処理
11 対外取引、国内取引の文書作成
12 高度の機械の性能、操作方法の紹介・説明
13 添乗、送迎サービス
14 建築物の清掃
15 建築設備の運転、点検、整備
16 ビル受付・案内等
17 研究開発
18 事業の実施体制等の企画・立案
19 書籍等の制作編集
20 商品・広告等のデザイン
21 インテリアコーディネーター
22 アナウンサー
23 OAインストラクション
24 テレマーケティング
25 セールスエンジニアの営業
26 放送番組等における大道具、小道具等の制作・設置等

神戸元町労務管理サポート
(旧かくもり労務管理事務所)

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プロフィール

角森洋子
特定社会保険労務士・
労働衛生コンサルタント
(元労働基準監督官)

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